成長する人としない人の分岐点

私たちは日々、何かしらの「選択」をしています。

その中には、自分では意識していない「分岐点」が含まれていることもあります。

今回は、「成長する人」と「成長しない人」の違いについて、そしてそれに深く関わる「完璧主義」の性質とその乗り越え方についてまとめてみました。

「運」はある。でも、それだけじゃない

まず前提として、成功や成長には“運”の要素があることは否定しません。

生まれた環境や出会い、時代背景など、自分の力ではどうしようもない要素もたくさんあります。

でも、それは全体の一部でしかありません。

運の影響はゼロじゃないけど「その運を活かせる状態」に自分を持っていけるかどうかは本人次第です。

運だけを頼りにしている人と、自分で運を呼び込む準備をしている人ではいずれ大きな差がつきます。

指摘を「敵」と見るか「鏡」と見るか

成長する人は、誰かからのフィードバックを「自分を変えるヒント」として受け取ります。

一方で、成長しない人はそれを「自分を否定する攻撃」として受け取ってしまう傾向があります。

もちろん、すべての意見を無批判に受け入れる必要はありません。

でも、自分がやらかしてしまったとき、失敗したとき、何かを指摘されたときに「この中に何か学べることはないか？」と一度立ち止まる姿勢が成長の鍵になります。

成長する人は、自分の非を直視する勇気がある。

「完璧主義」という落とし穴

成長を妨げる大きな壁のひとつが「完璧主義」です。

完璧主義自体は決して悪いものではありません。

その性質のおかげでクオリティを高める力は間違いなくあり、完成まで持っていけたときには「最強の成果」を生むポテンシャルを持っています。

でも、完璧主義の根底にあるのは多くの場合「不安」です。

「失敗したくない」
「認められたい」
「間違えたくない」

そんな気持ちから100点満点を目指してしまいます。

でも、100点満点という作品はそもそも存在しません。

存在しない100点を目指すというのは「最初から完成させる気がない」と言ってるのと同じようなものです。

目指すべきは70点

100点はそもそも存在しない。
80点でも超えたらむしろやりすぎの可能性もある。

だから現実的にバランスが取れていて“本当の完璧”と言えるのは実は70点くらいじゃないかと思うのです。

とにかく最高得点を目指すというのは、見てくれる人のことを考えず、
自己満足のために頑張りすぎて労力を無駄にしてるだけになってることもあるかもしれません。

ついでに、完璧を目指しすぎることの弊害についても。
完璧にやれた！と思うことが上手くいき続けてる場合、上手くいってる間はいいかもしれません。

しかし、完璧主義が上手くいき続けた人は少し失敗しただけで精神的に大ダメージを受けます。

ちょっとしたミスや指摘をされただけで全身がざわざわして、心が折れて、そのあと何日も引きずってしまう……。

これは「失敗耐性」がない状態です。カンペキにこだわる人ほど失敗耐性の少ない人間になってしまいます。

小さな失敗を日常的に経験して少しずつ慣れていけば大丈夫です。

耐性は慣れによってじわじわついていきます。

失敗を重ねることで冷静に状況を振り返る力がつき、再挑戦できるメンタルが育ちます。
失敗のない人は学びもなく、実は中身のない人になってしまう可能性すらあります。

完璧主義者の「クオリティにこだわりたい」という性質自体はとても立派なものです。

その性質にプラスして、

「70点がやりすぎでもショボくもなく一番ちょうどいい」
「失敗した方がメンタル鍛えられるし改善点にも気付ける」

こう思えるようになれば最強といえるでしょう。

「自分を守る」ことばかり考えていると、成長は止まる

失敗を認めることは怖いことです。自己肯定感やモチベーションが下がったりすることもあります。

でも、だからといって「自分は悪くない」「周りが悪い」と思考を止めてしまうとその時点で成長のチャンスを逃してしまいます。

成長する人はたとえつらい状況でも「自分にできること」「自分が変えられること」に意識を向けます。

守りに入ることで一時的に心は安定するかもしれませんが、長期的には何も変わらないままになります。

誰かに対してイライラしているときは例外なく自分が悪い

イライラするのは自分の尊厳を傷つけられたから。

「傷ついた」という事実があるのは本当です。

それは肯定した上で、イライラを人にぶつけるのはどう言い訳しても自分が悪いと覚えておく方が良いです。

私自身、誰かに対してイライラして心の中で大暴れしてるときがあります。人を責めてしまいます。

でも一旦落ち着いたら「イライラしたときは例外なく自分が悪い」ということをいつも思い出すようにしています。

他人を変えることは基本的にできないからです。

変えることができない相手を責めるより、

「自分にもできることがあったんじゃないか？」
「もっといい伝え方があるのではないか？」

と改善策を考えらえるようになると人間としてとてつもない成長をしていけます。

「尊厳を傷つけられたからイライラした」という事実はちゃんとあったこととし、受け入れて自分を癒しましょう。

尊厳を傷つけられたこと、それとは別物として今後自分にできることについても考えてみるのです。

自分にとっても相手にとっても、良い結果が得られる可能性は無限に眠っています。

「変わる」覚悟があるかどうか

成長とは変わっていくことそのものです。

価値観、考え方、行動、人間関係、時間の使い方……

成長するためにはそれらを柔軟に見直し、変わっていこうという覚悟が必要です。

「褒めてほしい」
「今の自分を認めてもらいたい」

そう思う気持ちも心の安定には大事ですが、どこかで勇気を出さないといつまでも現状のまま変わることはできません。

成長とは「いまの自分」と決別することでもあるのです。

変わることを恐れず、自分の弱さと向き合える人は自然と良いサイクルに乗っていきます。

おわりに：分岐点は、いつも静かにそこにある

「成長する人」と「しない人」の違いは、実は劇的なものではありません。

日々の小さな選択が半年後、1年後に大きな差を生みます。

「完璧じゃない自分」を受け入れ、「失敗から学べる自分」を育てていくことが本当の意味での成長につながっていきます。